2011年07月26日
ダウとサウジ・アラムコ、石油化学JV設立で合意
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:ダウケミカル

ダウとアラムコは7月25日、両社の取締役会が、サウジのジュベイル市にワールドクラスの統合石化コンプレックスを建設するJVの設立を承認したと発表した。

JVの名称は “Sadara Chemical Company”で、一部を公募し(2014年初めを予定)、残りを両社が均等出資する。
総投資額は200億ドルと見込み、自己資本で35%、輸出信用機関や金融機関からの借入金で65%を賄う。

エタンからのエチレンのほか、ポリウレタン(イソシアネート、ポリエチレンポリオール)、酸化プロピレン、プロピレングリコール、エラストマー、LLDPE、LDPE、グリコールエーテル、アミンなど、合計26基のプラントを建設する。
エチレンの能力は明らかにされていないが、当初、120万トンと噂された。

直ちに建設を開始し、一部は2015年下期に生産を開始、2016年には全系列が操業する。生産開始後は数年以内に100億ドルの売り上げを期待している。

中東8か国はJVが販売を行い、その他はダウが販売を受託する。
販売先はアジア太平洋が45%、中東が25%、欧州20%、その他10%と見込んでおり、特に成長の著しい中国を狙う。

両社は2007年5月に本計画の詳細覚書を締結したが、当初はジュベイル南東のラスタヌラにあるアラムコの製油所に隣接して建設する計画であった。

2010年4月にジュベイルへの移転を発表した。ラスタヌラの土地の造成費が高いこと、同地が過密であることが理由で、ジュベイルには電力、水などの用役が揃っているため、移転により40%ものコスト節減が可能となるとした。
原料は当初のナフサとエタンからエタンのみに変更された。