2011年07月26日
広東省珠江デルタ地区の発展計画 広州市長が東京で講演
【カテゴリー】:海外
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広東省と広州市は26日、東京・芝のホテルで、珠江デルタ地区の今後の発展計画について説明会を開き、日本企業に協力と参加を求めた。会場には約700人が参加した。

説明会では駐日中国大使館代表呂克倹公使、ジェトロ代表林康夫理事長などのあいさつの後、訪日代表団の団長である万慶良・広州市市長が「新しい広州・新しい商機」と題し基調講演を行い、珠江デルタと日本による経済貿易提携の一層の交流を提唱した。

また、広東省対外貿易合作庁、投資促進局、広州市(自動車部品産業の動向)などの幹部が講演した。万・広州市長は「科学的発展を実行し、低酸素で知恵に富んだ広州を目指す。都市発展の質を向上させる」と大要、以下のように語った。

「日本企業の環境・省エネ・新エネ技術に期待」 (広州市長の講演要旨)

広州から東京まで2,900キロの距離、飛行時間は4時間、やや遠いように思うが、本日は温かい情誼を感じている。09年11月、汪洋党中央委員会政治局委員、広東省党委員会書記に随行して東京を訪ねたことがある。

日本は広州市の2番目の貿易パートナである。2010年、広東と日本の輸出入総額は682.3億ドル(広州市は139.5億ドル、13.4%)に達した。日本からの投資は累計91.76億ドルに上り、全省の3.6%を占めている。
さらに今年は5月までに日本の広州直接投資額は517項目、実行ベースが34.60億ドル、6.5%を占めた。提携状態が良好で、発展の潜在力を備えているといえる。広州としては国家中心都市としての新都市建設を目指す。

ハイエンド要素を集中させ、科学技術と文化を優先、総合サービス機能を強化する。さらに戦略的なインフラ施設、主導産業、発展プラットフォームを3大重大突破口として構築する。

金融保険、商業貿易、会議・展覧、観光、文化創造や近代的物流、電子製造,情報サービス、自動車、石油化学、近代装備、生物と新素材などを発展させる。国家レベルの開発区、シンガポールとの合弁でナレッジシテイ、南沙新区、バイオメガタウン、天河知恵城、広州大学メガタウンなどを建設する。

広州は華南地区における教育やキャリアトレー二ングなどの中核地である。大学は77校、在籍80万人を数える。広州に従業する外国人専門家が10万人に達し、全国の15%を占めている。

人材戦略を展開し1万人の海外人材と革新・創業レベル人材100人を誘致、人材特別区計画をつくる。第12次5カ年計画で都市部住民の所得と農村の住民の所得を10%以上増加させる。福祉的住宅の建設、1,000万平方メートル面積を新規に増やす。

新しい広州を発展させるために世界の先進都市に学ぶ。広州の常駐人口は1,270万人(実際人口は1,500万人)東京は1,300万人。広州の面積は7,434平方キロ、東京の2,188平方キロの約3倍強。
GDPは1,631億ドルに対し東京は7,000億ドル。1人あたりGDP 広州1万5,385ドル、東京6万9,000ドル。これらの数値は都市計画、経済発展、社会管理、環境保護などで参考になる。

産業の発展ではまず自動車だが、広州は2015年までに完成車年産450万台、部品は1,500億元、ハイブリッドなどの新エネルギー車15万台の能力を目指す。世界クラスの自動車産業クラスターを形成する。

1998年にホンダが広州に設立されたのを皮切りにトヨタ、日産、日野などが相次いで進出、中国のデトロイトと呼ばれるようになった。2010年の生産量は136万台、03年の19万台の7倍ほどになった。部品も15倍になっている。

電子情報では半導体のコア部品、インターネット、LED、電子商取引、ソフトウエア,アウトソーシングなどの振興に協力を期待する。広東の電子情報製造業は2010年に2万億元を超え、全国の3分の1を占めた。東芝、日立のブランドが好評だ。

また、文化では日本の漫画、アニメーションが伸びている。日本製は世界の60%を占めている。広州は歴史や文化の名城(都市)だが、創意の都でもある。ファッション、情報、飲食、伝統文化、観光、音楽、漫画、アニメ、ゲームなどで中日協力を進めたい。

低酸素都市の建設で日本の環境技術、省エネ、新エネ技術に期待したい。

これからの5年間、広州は経済発展の支持に50億元を投入する。新規進出の企業に5,000万元の定住費を提供する。広州は投資に相応する玉手箱のような土地であり、日本企業の参加を歓迎する。