2011年08月01日
「日本企業進出 1000社超える」南京市が東京で説明会 (上)
【カテゴリー】:海外
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江蘇省の省都・南京市は7月28日、東京でビジネスチャンスの説明会を開いた。訪日代表団(約30氏)の団長である趙暁江・副市長が南京の発展状況、今後の取り組みなどを説明。また、劉暁思・市投資委員会副巡視員らが投資機会を提示した。以下は要旨。

■趙・副市長
南京は中国の4大古都。面積は6,600平方キロ、人口800万人。2010年のGDPは6万億円(6兆円)を上回った。対前年比13%増、財政収入も1万億円(1兆円)を超え、同19%増となった。太平洋沿岸地域の明るい未来を持つ都市のひとつで中国都市のベスト10に入る。

日本はこれまでに547項目のプロジェクトに投資、日立、富士通、三菱重工、シャープ、マツダ、太平洋セメント、ヤマダ電機、三菱商事、三井物産、伊藤忠、住友商事など1,000社を超える企業が進出している。日本以外ではドイツのBASF、シーメンス、バイエル、ティッセンクルップ、フランスのカルフール、オーシャン、オランダのシェル、フィリップス、テスコ、英国のBP,スウェーデンのエリクソン、イタリアのフィアット、米国のフォード、モトローラ、ベスト・バイ、キンバリー・クラーク、エマソン、モーガン・チェースなどが出ている。

1万社以上の外資企業が投資している。世界の大手500社のうち80社が投資、投資件数は150件に及ぶ。2010年、海外からの投資は47.8億ドル、実行ベースで28.2億ドルだった。

日本との貿易額は2010年度で輸出額23.2億ドル、輸入額35.7億ドル。米国とドイツを上回り第1位となっている。名古屋市とは30年を超える姉妹都市、神戸も経済合作都市である。交通は8本の高速道路があり、上海まで73分、杭州まで53分、北京まで200分。

南京は長江デルタの中心に位置し、人流、物流、資金、情報の拠点である。江蘇省、浙江省、上海、安徽省、江西省など25都市をカバーしている。巨大市場を抱えているわけである。これからの第12次5カ年計画の5年間は、南京のゴールデン時期となる。

日本はオプトエレクトロニクス、情報通信、バイオメデカル、省エネ、太陽光発電などの新興産業で優位性を持っている。南京との合作の潜在力があるので期待している。また、金融保険、現代物流などでパートナーシップを強化したい。

■劉・市投資委員会副巡視員
南京は世界発展の流れに順応し、イノベーションをもってグリーン経済、産業グレードアップを図る。科学技術イノベーションを基盤に新興産業を育成する。まず、風力発電、太陽光発電などの新エネルギー産業を発展させる。

知能電力ネットワークと電力自動化を進める。情報と通信産業(モバイル、衛星、IPネットワーク)を発展させる。省エネ環境保護、生物医薬,新材料、軌道交通、航空宇宙などの産業やサービス業、金融業、現代物流業、文化創意工夫業にも力を入れる。

さらに現代貿易業を2015年までに市の社会消費商品小売り高を4,500億元にアップ、長江デルタ地区のトップを目指す。観光旅行、レジャー保養をベースに展示センターをつくり中国で一流の現代観光業を構築する。(つづく)