2011年08月02日
「化学など3つの国家級開発区紹介」 南京市の説明会(下)
【カテゴリー】:海外
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中国・南京市は劉・市投資委員会副巡視員の投資説明(上)に続いて、重点産業の強化策や主な3つの国家級開発区について概要以下の通り説明した。

これまでの市の重点産業としては、電子情報産業、石油化工産業、自動車産業、鉄鋼産業があるが、この4業種を強化するのに加えて、科学技術創新を行う。電子情報では液晶バレーなどの新型表示産業基地をつくる。コンピュタ及びデジタル視聴産業を発展させる。石油化工では南京化学工業園をもとにして、製油、エチレン、新材料の循環型生態化学工業園区を作り上げる。酢酸化工基地を建設する。新材料、精細化学、生命科学など特徴ある産業を発展させる。

自動車では上海自動車工業集団、長安集団との取引を強化し、マツダ、フォルクスワーゲン、上海自動車工業栄威、イタリアのIVECOなどとの協力のもと年200万台の生産を行う。国レベルの新エネルギー自動車と部品産業基地を急ぎ建設する。

鉄鋼は自動車、高速鉄道、風力タワー、船舶、電力、石油ガス輸送、コンテナーなどに使う鋼鉄を発展させる。とくに幅広い鋼板、冷間圧延薄板、船板、圧力容器板、ブリキ板、高級建築用板など。

科学技術創業特別区、人材特別区を建設する。2015年までにインキュベータ、加速器、中間試験基地用の建物600平方キロを完成させ、創新企業1万社を集める。年2億元を投じ科学技術特別区を建設、発展専用資金を設ける。
リーでングタイプの創業人材を集める。重点プロジェクトに対し200万元の創業起動資金、100平方メートルの作業用建物と人材アパートを提供、3年以内で家賃を免除する。金融財政、税務などの面でサポートする。

国内、外のハイレベルの研究開発機関を誘致する。重点として世界トップ500社と中国トップ500社を導入、まず今後5年で100社を集める。世界トップ500社に200万~500万元の奨励金を供与、家賃を4年間優遇する。

■3つの国家級開発区
◇南京高新技術産業開発区=区は長江北側に位置し、長江大橋と長江第二大橋、同第三大橋を通じて市中心(13.5キロ)につながる。1991年に国務院の許可を取得。面積82.46平方キロ。これまでに20平方キロが開発された。
登録企業は約3,000社、うち外資は500社。上場企業は9社。2010年の工業総収入は1,500億元、GDPは250億元。
「ハイテク技術の発展、産業化の実現」をめざしている。国家級ハイテク企業82社が立地している。
R&Dセンター、創業センター、大学の3者が協力して創造革新システムを形成している。応用ソフト、ゲームおよびアニメーション、医薬・漢方薬とバイオテクノロジー、太陽光発電、風力発電、燃料電池などの新エネ産業が主力。半導体、ファインケミカルなども発展している。

◇江寧開発区=1992年6月に設立。総合実力が省の最前線をいっている。42の国と地域が2,000件余のプロジェクトを進め、うち1,000万ドル以上のプロジェクトが500件余。地域交通の優位性があり、3本の地下鉄が開発区を通る。
ガスや工業用ガスが天然ガスを利用している。発熱量は9,600キロカロリー。ケーブル、光ケーブル、マイクロ波、短波、衛星などさまざまな通信ネットワークを備えている。開発区には2つの火力発電所がある。

同区にはシーメンス、エリクソン、TPOなどの通信基地局、携帯電話(1.2億台)、小型液晶パネル、モバイル通信,ウェハなど、自動車・部品では上海フォルクスワーゲン,長安マツダなど自動車6社、120社余の部品メーカーがあり今年、50万台の生産が見込まれている。このほか再生可能エネルギー産業、航空産業、現代物流産業、知能電力網産業などがある。5年後には区の総生産量が1,000億元を超え、投資額が2,000億元以上、財政収入が240億元を超える見込み。

◇南京化学工業園区=区は2001年に創立された。計画面積45平方キロで、開発された24平方キロはすでに整備されている。区には石油化学、有機化学、ファインケミカル、高分子材料、医薬化学工業、バイオテクノロジーの6つの主導的な産業が発展している。

区では中国最大の酢酸誘導体、エチレンセンターを構築する方針。独BASF,米セラニーズ三菱ガス化学などが累計60億ドルを投入した。BASFはエチレン年産160万トンのエチレンセンターを4年後、260万トンに増強する計画。

南京は以上3つの国家級開発区のほか1992年スタートした南京経済技術開発区(16.2平方キロ)を持ち、電子情報、生物医薬、新材料、軽工業機械などを手掛けている。また8つの省級開発区、9つの特色ある開発区を管理している。