2011年08月08日
小林・三菱ケミカルHD社長、「海外利益を還流できる新たな仕組みを」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱ケミカルホールディングス

三菱ケミカルホールディングスの小林喜光社長は8日の記者懇談会で、日本企業の海外移転について「電力コストの上昇に円高が加わり製造業は6重苦に見舞われているが、化学業界はそれに原料価格の急騰が加わり7重苦となっている」としたうえで、「流れとしては、海外への生産シフトは加速せざるを得ない」と語った。

「問題なのは、海外で稼いだ資金を海外で再投資せず、日本に還流して日本での投資を促進する仕組みがないことだ」と指摘し、日本に還流して投資に向かわせるためには、「税制面の見直しも新たな仕組みの選択肢の一つになる」との点を強調した。

また、化学業界の再編の動きについては、「今の段階では、ないと感じている」と語った。「(新日鉄と住友金蔵が統合するように)鉄は組みやすい面があるが、化学はすそ野が広いので(企業合併は)難しい。事業部門の統合に留まるのではないか」と指摘した。