2011年08月10日
チヨダウーテ、石膏ボードリサイクルへ高機能フッ素処理剤開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:NEDO

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は10日、NEDOイノベーション事業の一環として、石こうボードメーカーのチヨダウーテ(本社:三重県三重市、平田晴久社長)が袋布昌幹・富山高等専門学校准教授と共同で、建築用石こうボードのリサイクルを可能にする「高機能フッ素処理剤」の開発に成功したと発表した。同社はこのほど、フッ素不溶化剤「Fクレスト」の商品名で販売を開始した。

建築材料に大量に使われている石こうボード廃材は、年間100万トン以上排出されているが、リサイクルする場合にはフッ素の溶出を防ぐ必要があり、このための有功な技術が実用化されていないため、リサイクルが困難であった。

チヨダウーテと袋布准教授は、リン酸カルシウムの一種であるリン酸水素カルシウム二水和物がフッ素化合物と反応して、溶け出しにくい性質を持つフッ素アパタイトに転化することに着目した。廃石こうに高機能フッ素処理剤を添加した状態で土壌固化材としての使用が可能になった。フッ素不溶化剤「Fクレスト」単独でも、フッ素を含む排水の浄化等に用いることができる。

チヨダウーテでは、「クレスト」を用いて土壌、廃石こうだけでなく、工場排水やその他廃材の中のフッ素の不溶化を必要とする分野で事業展開し、当面、年間30億円の売り上げを目指す。