2011年08月18日
生物研、アフリカ栽培イネのゲノム塩基配列を解読
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:農林水産省

農林水産省の農業生物資源研究所は、日本のイネとは別系統のアフリカ栽培イネのゲノム塩基配列を解読し、データベース(AfRicA DB)として公開したと発表した。アフリカ栽培イネの持つ耐乾燥性や耐病性、耐虫性などを利用した新品種の開発に大きく貢献すると期待されている。

世界の栽培イネには、「オリザ・サティバ」と「オリザ・グラベリマ」という2つの系統があり、アジアで栽培されている「オリザ・サティバ」では、「日本晴」品種の全ゲノム塩基配列が解読されている。

今回、生物研は、もう一つのアフリカ固有の栽培イネである「オリザ・グラベリマ」についてゲノム塩基配列を大規模に解読し、全ゲノムの約2割に相当する部分を明らかにした。

今回の解読結果から、アフリカ栽培イネにしか存在しないと考えられるDNA(デオキシリボ核酸)配列が明らかになり、アジア栽培イネでは存在しない遺伝子が複数確認された。これらの違いがそれぞれの栽培種を特徴付けている可能性がある。また、この中には、アフリカ栽培イネの耐病性の強さと関連する遺伝子が多く含まれていることがわかった。

これらの成果は、アフリカ栽培イネとアジア栽培イネの両方の改良に利用できると考えられ、より良い品種の開発に大きく貢献すると期待されている。