2001年02月15日
PEのフィルム用グレードはともに不振
ポリオレフィンの品種別出荷に大きなばらつき
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィン3樹脂の1月の国内出荷数量は、めずらしく品種別の前年同月比に大きなばらつきが生じた。3樹脂共通の主力品種であるフィルム用グレードの場合もそう言える。HDPEは前年を4%下回り、LDPEも0.3%減と低迷した。しかしPPのフィルム用は6%の増加となっている。しかもそのうちのOPP用は9%増、CPP用は5%とこれまたかなりの差異がある。
 他の品種はさらに増減率に大きな格差が見られる。例えば、同じLDPEでも電線用は12%増、加工紙用は8%増となっているが、パイプ用は12%縮小している。HDPEでは、フィルム用がマイナス成長となった反面、射出成形用は24%増、パイプ用は4%増、小型ブロー用は10%増とこれまたばらつきが目立つ。全体が7%増という予想以上の伸びになったPPでも、繊維用は21%増、コンテナー用は2.7倍、工業部品用は4%増といったように品種ごとの増加率は大きく異なる。
 こうした現象の背景は必ずしも明らかでないが、これまでにない大きな伸びを遂げたケースは、需要家の中で体質や体力に余裕があるところが戦略的にレジン在庫を増やす行動に出たことによるとの見方が関係筋に多い。