2011年08月29日
青海塩業、PP製造でUNIPOL法を採用
【カテゴリー】:海外
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(上海発=特約)

青海省の青海塩業 (Qinghai Salt Lake) はこのほど、年産16万トンのPP計画でダウのUNIPOL法を採用した。
これは青海省ゴルムド市の察尓汗塩湖(Qarhan Salt Lake)での同社の金属マグネシウム・石炭化学統合コンプレックスの一環である。

同社は金属マグネシウム計画を推進している。
マグネシウムは塩水からとった水酸化マグネシウムを無水塩化マグネシウムとし、これを電解して生産する。
これには塩素を使用するため、塩湖の塩水の電解で塩素と苛性ソーダを生産するが、塩素の余剰分を利用し、PVCの生産を行う。

このコンプレックスでは、石炭からメタノールを生産し、MTOプロセスでエチレンとプロピレンを生産する。
別途、石炭からコークスをつくり、これと生石灰でカーバイドを生産し、アセチレンをつくる。

PVC生産にはエチレン法とアセチレン法を併用、エチレンと塩素、及びアセチレンと塩素でPVCを生産する。
プロピレンからはPPを生産する。

第一期の計画概要は以下の通り。( )は最終計画  (単位:千トン/年)

  金属マグネシウム 100 (400)
  メタノール     1,000 (2,400)
  MTO-エチレン   165 (400)
  MTO-プロピレン  165 (400)
  PVC          500 (2,000)
PP          160 ( ?)
  苛性ソーダ     1,000 (2,000)
  コークス       2,400 (2,400)
カーバイド      800 (2,000)
二塩化カルシウム 100 (100)
  (Source: ASIACHEM Consulting)

青海塩業は2010年7月に第一期計画を着工した。2013年下半期に生産開始の予定。

第一期ではプロピレンの自家使用として年産16万トンのPPを計画したが、第二期でのプロピレンの用途は未定となっている。

青海塩業は中国最大の塩湖資源利用企業で、食塩等を生産しており、子会社で炭酸カリウム、硝酸カリウム、カリウム金属などを生産している。

UNIPOL法PPは今回が中国での8つ目のライセンスとなる。