2011年08月30日
理研、タングステン酸化剤使い細胞機能初期化のメカニズム解明
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所は30日、細胞機能の初期化に関与するDNA脱メチル化過程の鍵物質と考えられている5-ヒドロキシメチルシトシンをタングステン酸化剤で特異的に酸化する反応を発見し、DNA(デオキシリボ核酸)配列の中の5-ヒドロキシメチルシトシンの位置をDNAシーケンサで解析することに世界で初めて成功したと発表した。

これにより、DNA脱メチル化がゲノムのどの位置で、どのようなメカニズムで起きているのかを解明する手がかりを得た。

細胞機能の初期化を解明することは、がん・老化・再生医療などエピジェネティクス技術に関わる全ての分野で、重要な課題となっている。

今回確立した、5-ヒドロキシメチルシトシン検出のための新しい化学反応は、脱メチル化をはじめとする遺伝子発現の初期化(脱分化)のメカニズムを解くための核心的技術として期待される。