2011年09月07日
産総研・電化、世界最高の熱伝導率を持つ窒化ケイ素セラミックスの作製に成功
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:電気化学工業、産業技術総合研究所

産業技術総合研究所は6日、電気化学工業及び日本ファインセラミックスと共同で、177W/(m-K)という世界で最も高い熱伝導率を持つ窒化ケイ素セラミックスを作製することに成功したと発表した。

しかも、粘り強さを表す破壊靱性は窒化アルミニウムセラミックスの3倍以上であり、高熱伝導率、高強度、高靱性を兼ね備えたセラミックスの開発に成功した。

従来の製造技術では、高い熱伝導率と優れた機械特性を併せ持つ窒化ケイ素材料を製造することは極めて困難であった。

今回、1400℃付近でシリコン粉末の成形体を窒化させた後、高温で緻密化を行う、いわゆる「反応焼結・ポスト焼結手法」を用いることによって、世界最高の熱伝導率を持つ窒化ケイ素セラミックスの作製に成功した。

今後は、今回開発したプロセスを基に高い熱伝導率と優れた機械特性を兼ね備えた窒化ケイ素回路基板の製造プロセスを確立し、パワーモジュール用など放熱性と優れた機械特性に基づいた信頼性が求められる基板材料としての実用化を図る方針である。