2011年09月07日 |
九大、生体内の鉄の量を調節するたんぱく質の機能を解明 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:科学技術振興機構 |
科学技術振興機構(JST)は7日、九州大学生体防御医学研究所の中山敬一教授らが、生体内の鉄量が不要なたんぱく質を分解するときに働くユビキチンン化酵素の1つ「FBXL5」によって、厳密に制御されていることを明らかにしたと発表した。 生体内の鉄の量を調節するたんぱく質の機能が解明できたことで、将来、鉄過敏症による神経変性疾患やがんの病態解明につながることが期待される。 今回の成果は、「FBXL5」が生体における鉄代謝制御に必須の役割を担うことを示した初めての報告である。近年、鉄過剰症は神経変性疾患や慢性肝炎による発がんなどに関与することも報告されている。 肝臓において「FBXL5」の発現量が低下すると、鉄の蓄積によって肝臓へ慢性的なダメージを与え、肝がんなどのような疾患の憎悪要因になる可能性がある。今後、FBXL5の機能を制御することで細胞内の鉄量を適切な量に調節し、これらの疾患に対する治療への応用が期待される。 |