2001年02月14日
PE各社、1~2月の輸出を一段と縮小
採算重視、汎用の新規契約は全て見送るところも
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:昭和電工、日本ポリケム、三井化学、三菱化学

 ポリエチレンメーカーの多くは、LDPE、HDPEの両ポリエチレンの1月から2月にかけての輸出を一段と絞り込んでいる。高価格の特殊グレードを除いて新規契約を全て見送っているところもあり、このためこの2ヵ月弱のLDPEの船積み数量は業界全体で前年同月の6割強に、またHDPEは8割前後に縮小したと見られている。
 これに伴い、LDPEは昨年9月以降6ヵ月連続の、またHDPEは昨年7月から8ヵ月連続の前年割れになると見られる。
 大幅カットの理由については、「中国の旧正月休暇が例年以上に長かったことによる需要の縮小もあるが、最大の要因は中国を始めとしたアジア全域からの引き合い価格が採算ラインを大きく下回っていることにある」(日本ポリケム、三井化学など)という。国内需要が引き続き手堅い伸びを遂げているため、採算割れが大きい輸出成約をこれまで以上に縮小するのは当然というわけ。また、昭和電工と三菱化学が実施したエチレンプラントの一部操業停止もあってエチレンの総生産能力が縮小していることもあるていど作用している模様。
 今後については、中国やインドネシアなどアジア各国からの引き合い価格の動きを慎重に見守りながら態度を決めていきたいというところが多い。ここにきてL-LDPEのオファー価格こそ回復しつつあるが、なお全体の流れをもう少し時間をかけて見極めていきたいというのがPE各社に共通した考えとなっている。