2011年09月21日
中原VEC会長、「復興需要の先送りでPVC国内出荷は足踏み状態」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:トクヤマ、塩ビ工業・環境協会
中原VEC会長

塩ビ工業・環境協会(VEC)の中原茂明会長(トクヤマ会長)は21日の定例記者会見で、8月の塩化ビニル樹脂(PVC)国内出荷が2年3カ月ぶりに7万トン割れとなったことについて「需要家に大震災の復興需要を見越した(仮需の)動きがあったが、半年を経過しても出てこず、先送りされていることで足踏み状態になっている」ことに加え「住宅エコポイント制度が10月で終了したことも影響している」と分析した。

これから迎える秋需については、「産業界で回復基調にあるのは自動車くらいであり、景気指数の見通しをみても、あまり期待できないのではないか」と受け止めている。

また、同日に為替相場の円高基調が一段と進み、戦後最高値となったことについて「日本でモノづくりの機運がなくなる恐れがある」との懸念を示した。

VECが同日発表した8月のPVC生産出荷実績によると、生産は12万4774トン、前年同月比12.6%減で2カ月連続の前年比マイナス、国内出荷は6万8619トン、同9%減で、2009年5月以来2年3カ月ぶりに7万トン割れとなった。また輸出は4万8323トン、同14.0%減で17カ月連続のマイナスとなった。このため、8月末の在庫は11万2872トンで前月よりも7.5%増加した。

一方、塩化ビニル樹脂モノマー(VCM)の生産は23万6407トン、同6.3%減で2カ月連続のマイナス、国内出荷及び出荷総計ともに2カ月連続のマイナスとなった。