2011年09月21日
クレハ、中国にフッ化ビニリデン樹脂5000トン新設
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:クレハ

クレハは21日、リチウムイオン電池(LiB)用バインダー及び一般産業用エンジニアリング・プラスチックとして使用されているフッ化ビニリデン樹脂の需要拡大に対応して、中国の江蘇省常熟市の常熟新材料産業園にフッ化ビニリデン樹脂製造子会社「呉羽(常熟)■材料有限公司」を12月に設立し、年産5000トンのフッ化ビニリデン製造設備を新設すると発表した。設備投資額は約60億円。

同社は現在、いわき事業所(福島県いわき市)で年産4000トン(今年7月に2700トンから増強)のプラントを稼働させている。両工場合わせた生産能力は、年産9000トンと2倍以上に拡大する。

LiB用バインダーは、携帯電話、高機能携帯端末、ノートパソコン向けの民生用小型LiBの数量拡大に伴い今後も安定的な需要拡大が見込まれるほか、EV、HEV、PHEV向けの車載LiB用途や電力貯蔵用定置型電源用途など大型LiB用向けに急速な需要拡大が見込まれている。また、一般産業用でも需要拡大が見込まれている。

このため同社は、原料の安定確保を含め、中国に製造子会社を設立することで、安定的な供給体制を構築することにした。

中国に設立するフッ化ビニリデン製造子会社の資本金は6000万USドル(クレハ100%出資)で、約60億円を投じ年産能力5000トンのプラントを建設する。2012年夏に着工し、2014年春稼働開始の予定。

(注)■は「気」の中のメが「弗」で、フッ素の意味。会社名の日本語の読みは「フッ素材料有限公司」。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1316593183.pdf