2011年10月04日
英首相 スーパー業界に「レジ袋使用量縮小」を要請
【カテゴリー】:海外(環境/安全)
【関連企業・団体】:なし

英国のCameron首相は9月29日、スーパーマーケットに対してレジ袋を減らすよう要請、さもなければ法律で規制すると警告した。今後12か月でレジ袋を大幅に減らさなければ、使い捨てのレジ袋を禁止するか、有料にするよう法で決めるとしている。

昨年1年で使い捨てのレジ袋が前年比で333百万枚、5%も増加し、捨てられた袋が海洋動物や鳥に害を与えるほか、海岸線の1マイルごとに70枚が散らばり、汚していると述べ、少なくとも昨年増加分の減少を求めた。

首相は、「大型小売店のMarks And Spencerはレジ袋を有料にして袋の使用を減らし、料金をチャリティに寄付している。2008年に開始して以降、既に400万ポンドも寄付をした。今後海岸線の清掃にも取り組もうとしている」と述べた。

リサイクル担当大臣は、「ルワンダでは法律でレジ袋を禁止し、アフリカで最もクリーンな国になった」と述べた。

2002年にアイルランドが世界で初めてレジ袋税を導入した。
2007年7月には0.15ユーロから0.22ユーロに引き上げた。
既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile/NCODE/20830

アイルランド環境省は2009年9月に、買物袋を持たないでくる客の抑止効果を狙い、レジ袋税を倍増して0.44ユーロにすると発表した。現時点ではまだ実施されていない。

英国では、本年10月1日にウェールズが初めてレジ袋税を導入した。1枚5ペンス(約6円)となる。
違反した業者は最大5000ポンドの罰金が科せられる。

北アイルランドでは本年7月にレジ袋税導入の協議を開始した。袋の使用減と、環境対策などのための収入増を狙うもの。
今後、税率について意見を求め、2013年4月1日に導入する。

スコットランドも検討を開始している。

EUでも有料化や禁止など、レジ袋の規制の検討を行っている。
既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile/NCODE/31551

Republic of Irelandではレジ袋税の導入で、レジ袋は90%も減ったとされる。
しかし、これと同時に問題も発生しているとの報道もされている。

消費者はレジ袋をゴミ袋などに再使用しているため、レジ袋の減少でスーパーではゴミ袋などの販売が大幅に増加している。
結果として、ゴミ埋立地のプラスチックの量も、包装用のプラスチックの量も減っておらず、小売店などでは紙袋の使用などで包装費用は増える結果となっている。

英国環境省の報告(包装物のライフサイクル評価)ではプラスチックは紙などと比較して、全体として環境への害が少ないとしている。