2011年10月06日
京大院、コレステロールを調節するたんぱく質の立体構造を世界初解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

科学技術振興機構(JST)は6日、京都大学大学院と英国の放射光施設オックスフォードシャーの研究グループが、高脂血症の治療薬の標的である「胆汁酸輸送体」の立体構造をX線結晶構造解析によって、世界で初めて解明したと発表した。

コレテロールは、血中濃度が過剰に高くなると高脂血症や動脈硬化症を引き起こし、日本人の死因の2位及び3位を占める心疾患や脳血管疾患を引き起こす要因になっている。現在用いられている高脂血症薬は、コレステロールの合成を阻害するもので、肝障害などの副作用が起こるため、それとは異なる仕組みで働く薬の開発が望まれている。
研究グループは今回、バクテリア由来の胆汁酸(肝臓でコレステロールを参加することで産生する化合物)輸送体の構造を胆汁酸の結合した形で解析し、胆汁酸が結合する結合領域を原子レベルで明らかにすることに成功した。

コレステロールを調節するたんぱく質の立体構造を世界で初めて解明したわけで、副作用の少ない高脂血症や動脈硬化症の治療薬の開発につながると期待される。