2011年10月07日
農水省、5カ年計画で国産バイオ燃料の地域生産拠点確立へ
【カテゴリー】:行政/団体(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:農林水産省

農林水産省は、平成24年度から28年度までの5カ年計画で、地域における国産バイオ燃料の生産拠点を確立するための取り組みを支援する「バイオエタノール製造利用高度化支援事業」を推進するため、24年度予算で26億2100万円を新規要求した。

東日本大震災・原発事故を受けて今年8月にまとめた「わが国の食と農林漁業の再生のための中間報告」では、農山漁村に豊富に存在する生物資源等の地域資源を確立した自立・分散型エネルギー供給システムを確立するよう提言した。

こうした中で、これまでの実証を通じて、国産バイオエタノール(年間製造量約3万トン)の原料調達から燃料製造・供給に至る技術・利用体系が構築されつつある。

しかし、急激な円高による輸入エタノール価格の低下や原料価格の高騰、エネルギー供給構造高度化法による温室効果ガス排出量削減の義務化(揮発油比50%未満)といった情勢の中で、事業化に向けた課題(原料調達、温室効果ガス削減、製造コスト削減、販売)が明確化になってきた。

このため、こうした新たな情勢変化の下で、これまでの実証で明確となった事業化に向けた課題を克服し、地域における国産バイオ燃料の生産拠点を確立するための民間の取り組みを支援することにした。地域で国産バイオエタノールの生産拠点づくりに取り組む民間団体等を対象に、事業資金の最大2分の1を補助する。

同省ではこうした取り組みにより、(1)2020年にバイオ燃料を全国のガソリンの3%相当以上に導入し、温室効果ガスを1990年比25%削減する(2)バイオマスを炭素量換算で約2600万トン活用する(3)農山漁村地域の資源を活用した自立・分散型エネルギー供給システムを実現する―という政策目標の達成に弾みをつける方針である。