2011年10月14日
欧州委員会、北海道バイオ産業クラスターを「成熟段階」と格付け
【カテゴリー】:海外
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北海道経済産業局によると、欧州委員会・イノベーション総局は、北海道バイオ産業クラスター・フォーラムを「成熟段階のクラスター」と格付けた。

その理由として、「高度な研究が実施されている」「起業文化が機能している」「研究開発面の支援が十分である」などを挙げた。これは同総局が、ヨーロッパの産業競争力の強化に必要な「成功するための要因の抽出・特定」と「新たな成果指標の立案」を行うため、世界で特色ある16のバイオクラスターを対象に実施した調査結果「Regional Biotechnology」で明らかになった。

世界で16のバイオクラスターは、約230のバイオクラスターの中から、発達度、主要活動分野などのバランスや成果指標作成に必要なデータ収集容易性などを勘案して絞り込んだもので、欧州連合(EU)から13、米国、カナダ、日本の3バイオクラスターを選定した。

バイオクラスターの格付けは、「初期段階」「発足段階」「発達段階」「成熟段階」「世界規模」の5段階で行った。

この中で、北海道バイオ産業クラスターは、「成熟段階のクラスター」と格付けされており、世界的に医療機器開発企業の集積で有名なメディコンバレー(デンマーク、スウェデーン)と同じ成長段階であると位置付けられた。

報告書では、北海道バイオ産業クラスターの成功要因について「ロールモデルとなる企業が存在している」(具体的には、アミノアップ化学)、「起業を促進する要因となる、成功したフラッグシップ企業が存在する」(同、ジェネティックラボ)、「クラスターに新規参加企業を受け入れて調和させる能力があり、参加機関同士の連携を深めている」、「インキュベーション事業者が研究設備、試作品製造用の設備および専門的知識を持つアドバイザーを提供している」―ことを挙げている。

こうした報告結果を受けて北海道経産局では、今後、北海道バイオ産業クラスターが産学官ネットワーク構築活動の継続や、国際的認知度の向上などの取り組みを強化していく方針である。