2011年10月18日
PSの輸入比率高まる、今年は7%から10%に拡大の見通し
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

日本スチレン工業会が18日発表したポリスチレン(PS)とスチレンモノマー(SM)の9月および7-9月期の生産・出荷実績によると、PSの7-9月期生産は、15万444トンで前年同期比15%減となり、2009年1-3月期以来の低い水準になり、内需も15万438トン、同12%減で同期に準じる低水準にとどまった。

これについて同協会の首長信幸会長(PSジャパン社長)は「7月からの電力節減要請を控えた仮需が3月から5月にかけて発生し、その仮需の反動が出た」とみている。ただ、9月の内需も前年比11%減と不振が続き「10月に入っても内需に力強さが感じられないため、2011年の年間ベースでも66-67万トン(10年実績は68万7000トン)にとどまる見通し」(首長会長)である。

国内出荷が低迷している中で製品輸入は増大している。「通関統計によると、8月の輸入量は8000トンに達し、年間ベースに換算すると7万2000トンレベルとなった。1-8月の実績では4万1000トンに達しており、11年は6万5000-7万トン(10年実績は5万トン)を予想している」(首長会長)。このため、「内需に占める輸入比率は10%(10年は7%)に拡大する」(同)とみている。

また、9月末の在庫は8万4798トンで前月比6%減少し、在庫水準も前月の1.9カ月分から1.6カ月分に低下したが、「まだ高水準であり、PSジャパンでも在庫調整を強めている。12月には、適正レベルの1.2カ月水準になるように努力したい」と強調した。

なお、SMの7-9月期の内需はPSの生産・内需の低迷を反映して34万1601トン、同11%減で史上2番目に低いレベルとなった。生産も66万1347トン、同13%減と2期続けての低水準になった。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1318922305.pdf