2011年10月19日
日本触媒、コンクリートの「乾燥収縮低減剤」本格生産へ
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:日本触媒

日本触媒は19日、鉄筋コンクリートのひび割れ防止に効果の高い、乾燥収縮低減剤「アクアガード」(商品名)を開発したため本格事業化すると発表した。川崎工場で生産。2017-18年度には年間20-40億円の売上を目指す。

「アクアガード」は、酸化エチレン系のポリマーで、コンクリートに約10%混ぜることにより、乾燥収縮(ひび割れ)をお抑える優れた効果がある。特に、従来の界面活性剤系混和剤に比べて、耐寒害性に優れており、寒冷地での施工に適している。

同社は、2009年から鹿島建設、清水建設、大成建設のゼネコン3社及び北海道大学工学部・名和豊春教授らと共同で実用化に向けた検討を行ってきた。その結果、乾燥収縮低減剤としての性能や施工性が実証された。

財団法人・日本建築総合試験所の建築技術性能証明も取得ずみで、ゼネコン3社も今後は「アクアガード」を用いた物件を本格的に受注・施工していく方針である。

なお、コンクリートは現在、全国で年間約8,000万リューベ使用されている。このうち乾燥収縮が必要なコンクリートは、年間約2,000万リューベと推算されている。

<用語の解説>
■ 耐凍害性:冬にコンクリート中の水が凍ったり溶けたりすることにより、コンクリートの耐久性が低下する現象に対する抵抗性。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1319001135.pdf