2001年02月09日
アクリル酸エステル、全世界的に先高観続く
アジアは1,000ドル水準で推移
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:BASF

 アクリル酸エステルのアジア市況は、マレーシアにおいてBASFが年産16万トンの大型プラントを立ち上げたことから需給緩和による軟化が懸念されていたが、中国を中心にアジア各国での堅調な引き合いが続いたこともあり、秋口にはCIF・トン1,000ドル台に回復、現在も同水準での推移となっている。
 大手アクリル酸メーカー筋によると、エステルのアジア市況は各国の経済混乱などもあり、1999年には700ドル台に低迷していたが、昨年から中国が需要を牽引する形で市況も上昇基調が続いている。こうした市況の上昇傾向は、原料高騰もあり全世界的なものとなっており、今年1Qも米国ではポンドあたり5~7セントの値上げが打ち出されるなど現在もこうした状況が続いている。
 アジアでは、旧正月が明けたこともあり今後取引が本格化してくるが、全世界的な市況の先高観もあって中国の状況によっては先高観で推移する公算が強い。
 一方、日本国内では、昨年は原料の高騰から春と秋に2回の値上げが行われているが、水準としては1999年時点の安値からの引き上げであり、現在も採算的に厳しい状況にあると見られている。