2001年02月09日
旭化成、ローディアのアジピン酸増設に参画~5万トンのキャパライト取得
2002年4Q韓国で6万5,000トン/旭化成は水島のシクロ増強
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:旭化成

 旭化成と仏ローディアは9日、韓国におけるアジピン酸の製造に関して合意、調印した、と発表した。両社はローディアの既存設備がある韓国・温山で2002年第4四半期の稼動予定で年産6万5,000トンを増設、旭化成は5万トンのキャパシティーライトを取得する。また、新設備に必要な原料シクロヘキサノールは、旭化成が水島で5万トン増強する。
 ローディアは現在、韓国の子会社ローディア・ポリアミドとして年産6万5,000トンのアジピン酸設備を有している。今回の増設により韓国における生産能力は13トンに倍増する。
 一方、旭化成は、ナイロン事業、特に中間体化学品としてのナイロン原料事業を重要な競争優位事業の一つに位置付けており、ナイロン66の原料から繊維、樹脂までの一貫メーカーとして、延岡に生産拠点を有している。主原料のアジピン酸は、アジア最大規模となる12万トンの生産能力を有しているが、ナイロン66樹脂や繊維向けの自消拡大やポリウレタン、塩ビ向け可塑剤などアジアを中心とした外販需要の増加により、フル稼働の状況が続いている。また、アジピン酸の原料であるシクロヘキサノールも水島に年産10万トンの設備を有しているが、同様にフル稼働の状態にある。
 今回、ローディアの増設計画に参画し、5万トンのキャパシティーライトを取得することにより、旭化成の供給能力は17万トンに拡大する。また増設するアジピン酸新設備に必要なシクロヘキサノールについては、新設備の稼動時期にあわせて、旭化成が水島で5万トン増強、15万トン体制に引き上げる考え。これらの結果、旭化成は日韓にアジピン酸の供給基地を確保することに也、アジア地域のアジピン酸市場における地位がさらに強固なものになるとしている。
 なお、旭化成は、今後シクロヘキサノールの外販ビジネスも視野に入れており、海外で大規模設備の建設を検討している。