2001年02月09日
中東の増産分のアジアへの今年の流入は6割
センター筋、アジア全体の稼動率92~95%と予想
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:昭和電工

 エチレンセンターや大手商社の多くは、昨年秋以降今年秋までの1年間に相次いで大型エチレンプラントの新増設を完了する中東からアジア地域に今年中に流入するエチレンとエチレン系誘導品の数量は中東全体で増産されるエチレンの6割に達するとの見方を固めている。エチレン換算で160万トン強になるとの予想である。
 中東では昨年秋から今年始めにかけてサウジアラビアで合計3基の大型エチレンプラントが稼動を開始、さらに今年第3・四半期にはUAEでも大型新装置が完成する見通しにある。サウジでの能力増は、ヤンペットとペトロケミヤがそれぞれ年産80万トン、ケムヤが同70万トンの合計同230万トンとなっている。今年の実質増産量はおよそ同210万トンと見られている。UAEにおける新設プラントの能力は同60万トンで、年内の生産量は最大で同30万トンとなる見込みだ。そのほかにも手直し増強がいくつかあるので、中東全体では99年に対比すると合計約270万トンの増産となる見込みであり、その6割、すなわち160万トン前後がアジア地域に入ってくるというのが多くのエチレンセンターと商社に相当する見方となっているわけ。
 加えて、北米からEGやL-LDPEの流入もエチレン換算で50万トン内外あると予想されている。したがって、今年の総流入量は210万トン強になるとの見方が広まっている。
 昭和電工などエチレンセンターの中には、その場合のアジア地域全体のエチレンセンターの稼動率は、中国の需要の伸びによってかなりの差異が生じるものの、従来の100%から92~95%に低下すると想定する向きが多い。もっとも、アジア地域全体における92~95%の操業率はかなり高率ということができる。