2011年11月08日
田中三井化学社長「エチレンセンターの再編成は必要」と強調
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学

三井化学の田中稔一社長は、8日経営概況説明会で中期経営計画の目標(2013年度に営業利益1,000億円)を達成するために、「赤字のウレタン事業について80億円のコストダウンなど徹底的な構造改革と海外有料企業との提携による黒字化の前倒し実施、重点5事業や世界トップ5事業および育成5事業の着実な事業拡大、さらにM&Aの取り組みで実現できる」と語った。

また、フェノール事業について、「フェノール単体でなく、誘導品も含めたフェノール・チェーンの強みを活かして、2013年度までにトップ企業に成長させる」と強調し、「60%副生するアセトンの余剰対策を軸に競争優位性を強化する」方針である。

石油化学業界のエチレンセンター再編成について田中社長は、「中東のエチレン新増設と中国での増強などだけでも、日本が現状のままでは生き残れないと思っている」と再編成が必要という持論を展開した。しかも、「米国でシェールガスを原料とするエチレン設備が年産200~600万トン新設されようとしている。シェールガスはコストでナフサベースの50~60%と低く競争力がある」とその脅威を指摘するとともに、「米ダウ・ケミカルがシェールガス原料をテコに再進出の方針だと聞いている。日本のエチレンセンター再編成は避けられない」と協調した。