2011年11月16日
中原VEC会長「大震災の復興需要は、まだ出ていない」と指摘
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

塩ビ工業・環境協会(VEC)の中原茂明会長(トクヤマ会長)は16日の定例記者会見で、「東日本大震災の復興需要は、まだ出ていない」と指摘、塩化ビニル樹脂の国内出荷低迷の大きな要因であるとの考えを示した。

その要因について宮島正紀VEC副会長(信越化学工業取締役)は、「政府の第1次、第2次補正予算の中で公共工事関連の執行が見送られてきた。3次補正予算の成立を待って、ようやく動き出す感じになっている」と指摘した。このため「復興需要は年明けの1月以降に本格化する」との見通しを明らかにした。

また、東ソー南陽事業所の塩化ビニル樹脂モノマー(VCM)・第2プラントの事故について中原会長は、「事故の詳細が明らかになっていないが、1日も早い原因究明と復旧を期待している」とコメントした。

事故の影響について、宮島副会長は「東ソーでは、年産約140万トンのうち半分を輸出に向けているので、国内で直ちに影響が出るとは考えにくい」としたうえで、「塩ビ樹脂は現在、中国をはじめ東南アジアで需要が低迷しており、欧州でも金融危機を背景に経済が低迷している」と分析、当面、需給関係への影響は少ないとの見通しを示した。

同日、VECが発表した10月の塩ビ樹脂生産出荷実績によると、生産は12万326トン、前年同月比17.9%減で4カ月連続の前年同月比マイナスで生産調整の動きが続いている。国内出荷合計は8万9628トン、同3.7%減で4カ月連続のマイナスだが、電力節減要請の前段階に戻りつつある。

輸出は3万7012トン、同25.3%減。出荷合計は12万6640トン、同11.2%減で12カ月連続のマイナス。月末在庫は10万898トンで前月比5.9%減少した。

一方、10月のVCM生産20万7771トン、前年同月比13.0%減、国内出荷は13万2326トン、同13.9%減、輸出は6万3847トン、同19.6%減、出荷総計は19万6173トン、同15.8%減となった。


ニュースリリース参照

○塩ビ樹脂
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1321418577.xls

○塩ビモノマー
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1321418577.xls