2011年11月16日
東レ、世界初の完全バイオマス原料由来PET繊維試作に成功
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

東レはこのほど、再生可能化学品および先端バイオ燃料メーカーの米国Gevo社が合成した完全バイオパラキシレンを原料として、世界で初めて「完全バイオマス原料由来ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維」の試作に成功した。

Gevo社は、バイオマスを原料とし、独自の先端遺伝子技術を改良した微生物を用いた高効率製造プロセスにより製造したバイオイソブタノールから、商業生産に使用されている化学変換反応によるパラキシレンの合成に成功した。

東レは、今年6月にこの再生可能なバイオマス原料由来のパラキシレンから自社技術により誘導されたテレフタル酸と、市販のバイオエタノール由来のエチレングリコール(EG)を原料とした完全バイオPETの重合に成功した。

これにより得られたバイオマス由来PETは、石油由来PETと同等の特性を有していることも確認している。東レは、新規技術をさらに深化させ、このほど世界で初めて、完全バイオマス原料由来PETの繊維化にも成功した。

PETは、最も生産量の大きい石油化学製品の一つで、これを原料とするポリエステル繊維は世界で年間約4000万トン生産されている。