2011年11月28日
カネカ、高効率ヘテロ接合シリコン太陽電池を共同開発
【カテゴリー】:新製品/新技術(経営)
【関連企業・団体】:カネカ

カネカは28日、ベルギーの研究開発機関IMECと共同で、銅エレクトロプレーティング技術を用いた、銀フリー手法の高効率ヘテロ接合シリコン太陽電池を開発したと発表した。今後、工業化に向けた研究開発に取り組む。

ヘテロ接合シリコン太陽電池では、集電極の形成に、銀のスクリーン印刷技術が用いられているが、この手法では銀電極の低抵抗化と細線化が困難であること、高価な銀を使用することによる高コストの要因になっている。

今回開発に成功した銀フリー手法では、銀のスクリーン印刷を銅エレクトロプレーティングで置き換えることで低抵抗化と細線化および大幅なコストダウンを実現した。銅エレクトロプレーティングによる集電極形成については、
ヘテロ接合シリコン太陽電池への適用は世界で初めてである。

この成果は、カネカの保有するヘテロ接合シリコン太陽電池技術に、銅エレクトロプレーティング技術を適用して得られたものである。具体的には、6インチ角のヘテロ接合シリコン太陽電池について、透明導電膜上に銅の集電極を形成することにより変換効率21%以上を実現した。

この銀フリー技術は、高効率ヘテロ接合シリコン太陽電池の実用化に向けた新しい一歩であり、今後、工業化に向けた研究開発を進めていく方針である。