2011年11月29日
帝人、世界初の層状単一配向の楕円形状高導電性CNFを共同開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:帝人

帝人は29日、東京工業大学と共同で、黒鉛電極が層状に単一配向した楕円形状の断面をもつ高導電性カーボンナノファイバー(CNF)の開発に世界で初めて成功したと発表した。

この高導電性CNFは、直線性の高い構造で、その繊維長は20μ以上で従来のCNFの10倍以上に及び、電気抵抗が従来よりも30-40%低いことが特徴である。また、製造工程で触媒を一切使わないため高純度のCNFを製造することが可能である。

さらに製法としては、世界で初めて化学繊維の一般的な製造方法である溶融紡糸法を用いているため、既存設備の活用が可能であり、製造コストを低く抑えることも期待されている。

また、化学反応をしやすいという特徴もあり、従来の炭素繊維では困難とされていた樹脂などとの結合性向上や液状物質内での高い分散性を期待することができる。

帝人では今後、こうした特性を活かし、電気自動車向けのリチウムイオン電池をはじめとする二次電池・キャパシタなどの電極材料や電極添加剤、樹脂添加剤、燃料電池ガス拡散層などの電池用途、樹脂補強材など多様な用途に向けて市場開拓を進めていく方針である。