2011年11月30日

東レ、細さと形を制御した革新ナノファイバー技術を開発

【カテゴリー】：新製品/新技術 【関連企業・団体】：東レ

東レは30日、ナノテクノロジーの極限追求により、世界で例のない「細さ」と「形」を制御した「革新ナノファイバー」技術の開発に成功したと発表した。 今回開発したナノファイバー技術は、単繊維径が1000ナノメートル（1nmは10億分の1m）級から、一般には製造が困難とされていた300nm級までの極限的な細さの長繊維型ナノファイバーを、高い均一性で製造することを可能にした。そのうち繊維径が500nm級のポリエステル長繊維型ナノファイバーについては量産技術を確立し、商業生産が可能な体制を整えた。 さらに、精密複合紡糸技術の極限追求により、複合紡糸繊維の断面形状を自在に制御することが可能となり、世界で初めて異形断面のナノファイバーを創出することに成功した。 今回開発した「革新ナノファイバー」は、その「細さ」による優れた風合いに加えて、従来の繊維と比較して表面積が飛躍的に増加することから、繊維表面による優れた機能を発揮する。 この効果は、ポリエステルやナイロンといった疎水性ポリマーであっても、機能剤等を用いなくても優れた吸湿性能や気体吸着特性を発現するため、人肌に接触する用途にも適しており、より風合いと高機能を両立したアパレル製品への展開が期待される。 東レは今後、この「革新ナノファイバー」技術を応用した製品・用途開発を進め、早期の実用化を目指す。なお、関連特許15件の出願を完了している。