2011年12月08日
農水省、「被災地の復興のための先端技術展開事業」着手へ
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:農林水産省

農林水産省は、東日本大震災の被災地域を新たな食料供給基地として再生するため、先端的な農林水産技術を駆使した大規模実証研究を行う「被災地の復興のための先端技術展開事業」に近く着手する。このため同省は、平成23年度第3次補正予算に同事業費として4億3000万円を計上した。

これは、被災地域内に「農業・農村型」、「漁業・漁村型」の研究・実証地区を設定する一方、実証研究に関わる全国の産学官の研究者が研究情報の共有や相互の調整を行うとともに、全国の研究機関および農林漁業者等への情報発信を行う拠点機能をもつ開放型研究室を整備する。

実証研究は次の3点を実施し、生産コストの5割削減または収益率2倍化を目指す。
(1)そ采・果樹実証研究(被災地域周辺で生産可能な野菜中の機能性成分の評価および生産環境に伴う同成分の変化に係る調査、迅速に展開可能な果樹栽培技術の実証研究を行う)
(2)施設園芸実証研究(トマトおよびイチゴの高品質な生産を進めるため、太陽光を利用した試験用の大規模園芸施設を設置するとともに、各種環境制御技術および生産支援システムの導入試験を実施する)
(3)水産業・増養殖業実証研究(ウニおよびアワビの放流用種苗の増殖システムを導入し、飼育環境を制御した緊急増殖技術の実証研究を行う)

このように、先端技術を用いた被災地の農林水産業の復興を図るとともに、技術革新を通じた成長力のある新たな農林水産業の育成を目指す方針である。