2011年12月09日 |
帝人、米GMと提携し量産車向け熱可塑性CFRP製品を共同開発へ |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:帝人 |
帝人は9日、米国ゼネラルモーターズ(GE)との間で、帝人が開発した1分以内のタクトタイムで成形できる熱可塑性樹脂を使用した炭素繊維複合材料(CFRP)によるコンポジット製品を量産技術を活用することで、GMが世界展開する乗用車、トラック、クロスオーバーなどの量産車に向けて共同で熱可塑性CFRPの製品開発を行うことで合意し、契約締結したと発表した。 帝人は、今回の共同開発契約の締結に伴い、GEとの共同開発の場として、複合材料の用途開発機能とマーケティング機能を集約した「帝人複合材料用途開発センター(TCAC)」を来年早々にも米国北東部に設置することを決めた。 自動車の軽量化に対する要求はますます高まっており、金属に代わる軽量部材としてCFRPが注目されている。 しかし、従来の熱可塑性樹脂を用いたCFRP製造技術は、その成形に要する時間や生産性の面から量産車向けの部品として使用するには課題があった。 そうした中で帝人グループは、今年3月に帝人の複合材料開発センターと東邦テナックスとの連携により、世界で初めて熱可塑性CFRPを1分以内で成形する量産技術を確立した。炭素繊維は、通常の鉄に比べて10倍の強度と4分の1の軽さを有することから、熱可塑性CFRPが量産車両の部品に使用されることで、劇的な車両の軽量化が期待できる。 今回の共同開発契約により、GMは主力車種に熱可塑性CFRPによるコンポジット製品を導入するポテンシャルを持つことになる一方、帝人はこれまで一部の高級車などに限られてきたCFRPの用途を量産車へと拡大することができる。 |