2011年12月19日
「韓国・台湾のプラスチック生産動向」・プラ工連
【カテゴリー】:行政/団体(海外)
【関連企業・団体】:日本プラスチック工業連盟

日本プラスチック工業連盟は、日本、韓国、台湾の2010年および2011年上半期のプラスチック需給動向をまとめた。先の開催された極東懇談会での報告をもとに集計・分析した。

【生産量と輸出入】

◇輸出量と輸出比率=2010年のプラスチック輸出量は、日本 4,444千トン、韓国 7,321千トン、台湾 4,324千トンだった。生産量に占める輸出比率は日本の36%に対して韓国56%、台湾68%と高く、国内消費を大きく上回った。中国をはじめ新興国の需要拡大にともない、輸出が増加したとみられる。

人口一人当たり消費量は、日本 76.5Kg(09年65Kg)、韓国 124.3Kg(112Kg)、台湾 105Kg(93Kg)だった。

◇2011年上半期=各国の上半期の生産量と輸出量、輸入量は以下の通り。
・日本 生産 5,802,279トン(前年比△3.8%)、輸出 2,041,059(△8.1%)、輸入 1,148,640(17.9%)
・韓国 生産 6,432,662(0.0)、輸出 3,482,881(△3.9%)、輸入239,480(31.9%)
・台湾 生産 3,227,298(△2.0)、輸出 2,036,651(△2.5%)、輸入 268,420(32.5)

【当面の課題】

◇韓国 韓国は1200万トンのプラスチックを生産しているが、機能性樹脂の多くは日本、米国、欧州から輸入している。汎用プラスチックを改良して高機能、高付加価値エンプラを生産することは軽量化、安全化、経済化につながる。韓国では主要産業の電子、自動車、化学、機械、繊維でGDPの70%を占めており、これらの産業向け部品素材の開発研究が今進んでいる。韓国の研究開発費は40兆ウォン(3兆円)。GDB対比では日本、米国に続き第3位の規模となる。情報技術、バイオ技術、ナノ技術の台頭はプラスチック産業に新しい機会を提供している。

◇台湾 台湾ではエネルギーの97%を輸入に依存しているため、エネルギーの枯渇と温室効果ガスにどのように対応していくかが大きな課題となっている。食品の輸出入には新規のグリーン貿易障壁が設定され、消費者は食品の安全と食品包装に関心を持つようになった。また、グリーン管理の推進は企業の競争力強化につながる。既存の環境保護規制、基準を満たし、次に企業独自の環境保護システムを構築することが重要だ。政府もグリーンマークと認定コードを与え、グリーン製品の普及推進に力を入れている。