2001年02月02日 |
三井化学、PDP用光学フィルターを本格企業化へ |
4月から量産、商品名「フィルトップ」で普及図る |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:ソニー、日立製作所、三井化学 |
三井化学は4月からPDP(プラズマディスプレーパネル)用の光学フィルターを商品名「フィルトップ」で本格企業化する。戦略製品の1つとして育成すべく開発し、主力PDPメーカーを対象に市場開拓してきたが、優れた機能・品質に対する評価が需要家の間に浸透して安定需要を確保していける見通しがついたため、量産・拡販体制を整えて本格的な事業展開に踏み切ることにしたもの。 PDP用光学フィルターは、(1)有害電磁波や近赤外光のカット(2)色再現性の向上(3)PDP板の保護(ガラスの破損防止)--といった同製品特有の機能を有するためPDPには不可欠な材料の1つとして注目され、今後大型商品に育つのが確実視されている。 三井化学の光学フィルター「フィルトップ」は、同社がかねてから蓄積してきた豊富な関連技術と関連製品、すなわち、同社が得意とするスパッタ技術や色素ならびに色シミュレーション技術と同社特有の反射材料や透明導電材料などを効率よく組み合わせることで開発に成功したもの。同社では、多くの基本特許を国の内外で成立済みである。 現在のPDPの市場は、空港ロビーや大型店舗あるいは展示会場など、業務用ディスプレーモニター用途にとどまっており、99年の需要量はおよそ10万台、昨年が約20万台にすぎなかったと見られている。主体は42インチタイプで占められている。 しかし、これからは“PDPテレビ”の時代と言われているだけに、今年以降はテレビ向けの需要は急速に増えていくというのが関係者に共通した見方となっている。今年春に日立製作所とソニーが32インチテレビを発売するのが1つの起爆剤になると期待する向きが多い。三井化学では、今年のPDPの総需要量を50万台と予想、来年には100万台を超えると想定している。そして2005年にはテレビ向けだけでも300万台に達し、2006年には500万台、2007年には750万台の市場規模になると推定している。 当面は、全需要量の2分の1を確保していきたいとしている。わが国におけるPDP用光学フィルターの本格企業化はまだこれからであり、そうした中で三井化学は得意技を生かして先陣を切ることになる。企業化に当たっては、関連要素材料や要素技術の有力企業10社とタイアップしていく。スパッタリングは同社名古屋事業所で実施、また最終組み立て加工は富山に工場を持つ専門企業を起用していく計画。 |