2001年02月02日
出光興産、赤色向け有機EL素子材料をサンプル供給へ
フルカラー発光技術に対応を目指し、研究・事業展開へ
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:出光興産

 出光興産は、次世代材料として注目が集まる有機EL素子向け材料を中央研究所(千葉県袖ヶ浦)において製造研究を行っているが、フルカラー発光技術に対応するため赤色向け材料について今年中にもサンプル供給を開始する方針だ。
 有機ELディスプレイは、自発光のため視認性に優れ、軽量、薄型、高速応答性など、優れた特長を有し、次世代のディスプレイとして、世の中の期待が高まりつつある。
 同社では現在、研究開発部において有機EL向け材料の製造および販売を行っており、青色向けを中心に展開を進めてきている。既に約40社に開発用材料として供給を行っており、車載用としてマルチカラーディスプレイとして商品化されている。さらにフルカラーディスプレイの商品化に対応するため、緑色、青色に加え、赤色向けについても量産技術の検討を開始、今年中にサンプル供給を開始するもの。
 同社は技術面でも、同分野の製造に関し約300件の特許を取得するなどしており、需要の立ち上がりに対応した製造・供給体制、販売体制の整備を行っていく方針。
 有機ELディスプレイ材料は、製品が本格的に立ち上がる2004~2005年には、市場規模は年間150~200億円規模に達することが予想されており、同社でもシェア50%の確保を目標に事業展開を進めるとしている。