2001年02月02日
AN需給緩和進む、各社減産の本格検討を開始
旭化成は今月から平均10%
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:DSM、旭化成、昭和電工、住友化学、デュポン、三菱化学、三菱レイヨン

 AN(アクリロニトリル)の需給軟化から旭化成が2月から川崎・水島で平均10%の減産を実施することを決めているが、住友化学、昭和電工など各社も減産の本格検討を開始した。
 AN需給は、一昨年秋口から昨年10月まで需給はショート状態となっており、一時は玉繰りに支障が出る状況となっていた。昨年4Qについても、当初は国内では旭化成が川崎・水島、三菱レイヨン・大竹で、欧米ではBP、DSM、デュポンなど各社が定修を実施するなど大幅な供給減から一段のショート化が予想されていた。
 しかし、11月後半からそれまでフル稼働を行っていた中国、インドのアクリルファイバーメーカーが相次いで減産入りし、一転して需給が緩和に向かっている。さらに、供給面では、新増設設備が本格的に稼動を開始し、欧州でのユーロ安による玉流入などもあり価格軟化傾向に拍車がかかっている。
 今年1Qについては国内では三菱化学・水島が3月に定修を予定しているが、旧正月明け以降のアジア各国での急速なファイバー需要の立ち上がりは難しいとして、各社では採算・需要見合いでの生産を行っていくことになるとしている。