2000年08月07日
EUの廃棄物指令の改正案に各国から反論も
プラ協が現地調査結果の報告書まとむ
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:プラスチック処理促進協会

 プラスチック処理促進協会が4日明らかにしたところによると、
欧州委員会が今年末までにまとめたいとしている「包装及び包装廃棄物指令」の改正案に対しては、各国の廃棄物回収機関や産業界から様々な問題提起が行われており、年内に結論が得られるかどうかが微妙となっている。
 同協会がまとめた報告書によると、現在のEU指令では、プラス
チックなどによる包装廃棄物の回収率目標を50~60%に、また
リサイクル率目標を25~45%(素材別には最低15%)にそれ
ぞれ設定し、2001年6月までに達成することとしている。ただ
し現時点でのリサイクル率は15%ていどと見られている。
 一方、同委員会が現在検討を進めている改正案は、オプション1(回収率を90%、各素材リサイクル率を60%とする内容)と、オプション2(回収率は定めないが、リサイクル率は包装廃棄物全体の場合と個別素材別とに別けて設定することとし、全体では60%以上、プラスチックでは20%を目標とする内容)のいずれかを選ぶというもの。オプション2を選択する場合、プラスチック包装材のリサイクルはマテリアルリサイクルに限るとの条件が付けられる見通し。
 この改正案に対しては、様々な意見が各国からEU委員会事務局
に寄せられているという。例えば、プラ協も参加した今年3月の第
7回欧州包装法会議では、ドイツの代表が「リユ-スを強調すべき
であり、また、リサイクル目標値は素材によって変更されるのが望ましい」と指摘、英国の出席者からは「費用対効果の評価が重要であり、リサイクルにはフィ-ドストックリサイクルを含めるべきだ」との提言が行われた。また、オランダの参加者からは「マテリアルリサイクルの目標値は素材によって差別すべきでなく、消費者および産業用包装に適用されるのが妥当」との発言もあった。さらにプラ協が同会議のあとで訪問したAPME(欧州プラスチック製造者協会)のルソット専務理事は「きちんとした統計デ-タに基づいて目標値を決めるべきであり、もっと議論する時間が必要。したがって年内に結論がまとまるとは思えない」と語ったという。