2012年01月12日
横浜ゴム、高熱伝導剤「YB」シリーズを本格拡販
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:横浜ゴム

横浜ゴムは11日、AV機器やパソコンで使用されるCD、DVD、ブルーレイディスクなどに使われる光ピックアップに不可欠な絶縁型高熱伝導剤「YB」シリーズの本格的拡販を開始したと発表した。

光ピックアップはCD、DVDなど光ディスクにレーザー光を照射し、データの読み取りや記録を行う装置だが、一般に電子部品から発生する熱は部品の信頼性や寿命などに影響するため、放熱対策が重要となる。

特にレーザー光源は、高温になるとレーザーの発振異常が発生する可能性があるため、効率的な放熱対策への試みがなされている。その中でレーザー光の自動焦点調整には極めてハイレベルな精度が要求されるため、光ピックアップ用高熱伝導剤はシート状ではなくペースト状のものが用いられている。ペースト状にはグリースタイプもあるが、アウトガス(注)による各種レンズやレーザーダイオードの化学汚染の問題があった。

「YB」シリーズはこれらの問題をクリアした独自の合成ゴムをベースとする1成分形湿気硬化タイプの絶縁型高熱伝導剤。ミリグラム単位でのシリンジ吐出性といったペースト状態の流動特性、微小部位への充填性、極限的なアウトガス成分の低減などを高度な次元でバランスさせることに成功した。

2012年春から本格販売へ移行する。今後は光ピックアップ向け以外にもさまざまな電子部品、情報機器、LEDなどの他用途向け高熱伝導性接着剤の展開も図っていく方針だ。

<用語の解説>
■アウトガス : 電子機器に使われている部品や接着剤の有機成分が揮発しガスを発生させる現象のこと。揮発した分子が機器に悪影響を与える。