2012年01月13日
農水省、「バイオ燃料生産基地創造」へ技術開発着手
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:農林水産省

農林水産省は、バイオマス活用推進基本計画の2020年目標の達成に寄与する「農山漁村におけるバイオ燃料等生産基地創造のための技術開発」に平成24年度から着手する方針である。このため、平成24年度農林水産省関係予算案に6億円を新規計上した。

バイオマス活用推進基本計画の2020年目標は、炭素量換算で2600万トンのバイオマス利用と、新たに5000億円の市場創出を掲げている。同省ではこの目標を達成するために、農山漁村で豊富に得られる草本、木質、微細藻類からバイオ燃料等を製造する技術開発が不可欠と判断した。

具体的には、次の3つの技術開発に取り組む。

(1)草本を利用したバイオエタノールの低コスト・安定供給技術の開発(エタノール製造に適した高収量の資源作物の作出、栽培や収集技術、複数の資源作物を効率的に燃料化する汎用性の高い前処理技術の開発。また、最新のエタノール変換技術の実証と改良も実施)

(2)林地残材を原料とするバイオ燃料等の製造技術の開発(林地残材を原料として、林内で利用可能なバイオ燃料を製造する液化・改質システムを開発するとともに、木質リグニンの用途拡大のため、コンクリート混和剤や炭素繊維などの材料の低コスト製造技術を開発)

(3)微細藻類を利用した石油代替燃料等の製造技術の開発(微細藻類からの低コストな石油代替燃料の製造技術を開発するとともに、搾油後の藻体残さを飼料、肥料として利用する技術を開発)

これら技術開発の到達目標として、
(1)草本からのエタノール製造コストは1リットル当たり100円
(2)木質からの石油代替燃料製造コストは同80円?微細藻類からの石油代替燃料製造コストは同80円
―とし、最終的には農山漁村で2020年までに年間500億円以上の新産業を創出する方針である。