2012年01月17日 |
11年のPS国内出荷65万トン割れ、12年もマイナス成長の見通し |
【カテゴリー】:実績/統計 【関連企業・団体】:日本スチレン工業会 |
日本スチレン工業会は17日、2011年1ー12月のポリスチレン(PS)およびスチレンモノマー(SM)生産出荷実績を発表した。それによると、PS生産は在庫調整のための減産が半年続いたのが影響して67万3835トン、前年比4%減となった。国内出荷は輸入品の増加傾向が続いたため同6%減の64万9388トンで65万トン割れとなり、輸出も円高の影響で2万2499トン、同20%減となった。 同工業会の首長信幸会長(PSジャパン社長)は、2011年のPS輸入について「12月のデータが出ていないが7000トンと推定できるため、年間では昨年の5万トンを1万5000トンも上回る6万5000トンと推定される」とし、内需減退の大きな要因になったと説明した。 2012年の見通しでは「輸入が7万トンに増加し、国内出荷はマイナス成長が続き合計で70万トン程度になると見ている」とし、輸入増加が国内出荷の減少となる傾向が2012年も続くとの見通しを明らかにした。国内出荷と輸入の合計が70-72万トン程度の規模になることについて「内需の安定領域の規模と見るべきではないか」と指摘した。 在庫調整のための減産について首長会長は「12月末でPS在庫は前月より23%減少し6万5158トンで1.3カ月分の水準になった。各社が睨んでいる1.2カ月分にほぼ相当する」とした上で「3月から6月にかけてプラント定修が集中するため、定修を控えた備蓄生産が始まる見通しである」ため、減産は一巡したとみている。 一方、SMの生産は3月に1社が事業撤退した影響で273万3045トン、同7%減、国内出荷はPSの減産や発泡スチロール向けなどの減少により144万2804トン、同5%減となった。 輸出は原料高に円高が加わり採算が悪化したため131万5629トン、同10%減となった。2012年の見通しについて丸山和夫副会長(出光興産執行役員化学品部長)は「SM輸出は減少傾向が続き、国内出荷の減少をカバーできない厳しい状況が続く」との見通しを示した。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1326782268.pdf |