2012年01月20日
東大院、脳回路の精密な配線と機能を世界で初めて発見
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

科学技術振興機構(JST)は20日、東京大学大学院は脳の神経回路が回路を形成する神経細胞「ニューロン」より小さく、シナプス(ニューロンが情報交換する場所)の単位で正確に編まれることで機能を発揮することを世界で初めて発見したと発表した。

今回、脳が極めて精細な配線メカニズムに基づいて回路を編成するという画期的な発見がもたらされ、脳がどのようにして機能を発揮するかの解明に向けた大きな研究の進展が得られたわけで、今後、この方法を活用して記憶・学習のメカニズムや神経疾患の原因解明に役立つと期待されている。

東大大学院では、多くのシナプス活動を観察できる新しい撮影技術「大規模スパインイメージング法」を開発した。この手法により、ニューロンが1000分の1mmレベルで局所集中した回路を正確に編んでいることを証明し、数十年に及んだ神経科学界の重要な議論の1つのメドをつけることができた。

この成果は、1月20日(米国東部時間)発行の米国科学誌「サイエンス」に掲載される。