2012年01月25日 |
ユニチカ、バイオマス素材の高耐衝撃性射出成形用樹脂を開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:ユニチカ |
ユニチカは24日、植物由来のポリ乳酸を原料としたバイオマス素材「テラマック」の比率を80%以上(80-90%)に高めたうえで、耐衝撃性と耐熱性をアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂レベルに向上させた耐衝撃性射出成形用樹脂を開発したと発表した。 これは、環境配慮型樹脂をコンセプトに、これまでのポリ乳酸結晶化技術や加水分解抑制技術に、独自のコンパウンド技術を組み合わせて実現した。今後は、ABS樹脂の代替も視野に積極的に市場開拓を図る。 開発した「テラマック」耐衝撃性射出成形用樹脂の特徴は、 (1)ポリ乳酸比率が80%以上と高いため、汎用ABSとの比較でコンパウンドの樹脂製造から製品の焼却までのライフサイクルで発生するCO2排出量を70%削減できるほか、枯渇資源の消費量を70%削減できる。 (2)シャルピー衝撃強度は23kJ/㎡で、ABS樹脂(20kJ/㎡)と同等の耐衝撃性をもつ。 (3)耐熱性も、荷重たわみ温度(0.45MPa)で100℃以上を保持し、ABS樹脂と同等レベルを達成した。 ーの主に3点。 今回、耐衝撃性や耐熱性を大幅に向上できたことから、OA機器、IT機器、電機部品への筐体や自動車内装部品への展開を図る。 現状の価格は汎用ABSの2-3倍と高いが、用途拡大と量産化により汎用ABSと同等の価格を目指す。将来的には「テラマック」事業の最も重要な柱に育成する方針である。 販売計画は、2年後(平成25年度)1億円、5年後(28年度)5億円を目指す。 |