2012年01月25日
三菱樹脂、フレキシブル太陽電池向けフロントシートを量産化
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:三菱樹脂
太陽電池向けフレキシブルシート

三菱樹脂は25日、10マイナス4乗(g/㎡・日)レベルの太陽電池向けフロントシートを開発するとともに、量産設備(年産1800万㎡)を筑波工場(茨城県牛久市)に完成したと発表した。

すでに、米国のグローバルソーラーエナジー社(本社・アリゾナ州)のCIGS系フレキシブル太陽電池のフロントシートとして採用が決まっているため、2012年から本格供給を開始する。

CIGS系などの化合物半導体系フレキシブル太陽電池は、材料コストが比較的安価であることに加え、変換効率(現在は約13%)のさらなる向上が見込まれており、フレキシブル太陽電池市場拡大の中心的役割を担うと期待されている。

しかし、その発電効率の低下を防ぐため、10マイナス4乗レベルの水蒸気バリア性能を有するフロントシートの開発が不可欠と指摘されていた。

三菱樹脂では、結晶シリコン型太陽電池のバックシートに広く使用されるガスバリアフィルムの生産技術を応用し、2008年に10マイナス4乗レベルの水蒸気バリア性能を有する超ハイガスバリアフィルムの技術確立に成功するとともに、今回同レベルのフロントシートの開発に成功した。

このフロントシートは、バリアフィルムを中心に3-4層で構成されており、優れた水蒸気バリア性能だけでなく、耐候性や紫外線吸収性、難燃性、接着性などフロントシートに必要とされる各種機能を有している。

同フィルムの量産設備は、世界初となる広幅(最大幅1300mm)・長尺品対応のもので、投資額20億円で完成した。市場規模は2015年に300億円が見込まれており、このうち同社は100億円規模を確保する方針である。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1327457433.pdf