2012年01月31日
三井化学、世界需給タイトのハイドロキノンを能力増強
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学

三井化学は、重合抑制剤、ゴムの老化防止剤原料などに使用され、世界需給がタイト化している岩国大竹工場のハイドロキノン(HQ)の生産能力を2013年6月に年産1000トン増強し同1万2500トンとする方針を決めた。投資額は公表していないが、1万トンプラントの新設で約100億円とされている。

HQの世界の供給量(年間5万1700トン)を需要量(同5万5800トン)が上回る需給ギャップによる需給タイト化が長期化しており、2015年には5万6400トンの供給に対し需要が6万4500トンと需給ギャップが拡大する見通しである。とくに重合抑制剤として使用されるアクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリロニトリルの需要は、アジアを中心に世界的に堅調であり、今後も需要の伸張が見込まれる。

HQの輸出市場での市況を見ても、2010年1-3月に1トン当たり4500ドル程度であったものが、同年10-12月には同8000ドル、2011年上半期には同1万ドルの大台に乗せ、現在(2012年2-3月成約分)でも同8500ドルと高値圏にある。

同社では、2013年春のプラント定修時に能力増強を行うが、1000トンの増強では需給タイト化に変化はないとみている。

今回の増強により、さらに競争力を向上させ、伸張するHQの需要を取り込み、アジアトップメーカーとしての供給力をさらに強化する方針であり、将来1万トン規模のプラント新設も視野に入れて対応を検討する考えである。