2012年02月10日
東ソー、「LIB用マンガン酸化物」など高機能事業強化へ3計画
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:東ソー

東ソーは10日、高機能材料事業の基盤強化のため、(1)LIB正極材料用マンガン酸化物新製造設備の建設(2)自動車排ガス処理用ハイシリカゼオライトの生産能力増強(3)ファイン製品、ジルコニア粉末の生産設備増強ーの3計画に着手すると発表した。日向、四日市、南陽の各事業所で展開、2013年3月までに完成する。総投資額は70億ー90億円強の見込み。コア事業の1つであるスペシャリティ分野を拡大し、経営基盤強化策を加速する。

(1)化学合成法マンガン酸化物製造設備の新設
化学合成法によるマンガン酸化物の新製造プロセスを開発したため、EV車用リチウムイオン電池(LIB)正極材向けに本格事業化する。100%子会社の東ソー日向(宮崎県)に年産5000トン設備を新設する計画で今年4月に着工し、2013年3月完成の予定。投資額は30億ー40億円。

これまでは、東ソー日向、トーソー・ヘラス(ギリシャ)で、電解法による電解二酸化マンガンを製造、アルカリ乾電池の正極材原料として販売してきたが、EV車向けなどにマンガン酸化物の急速な需要拡大が見込まれるところから、新開発の化学合成法により、同市場に本格参入する。マンガン酸化物の生産能力は、既存設備と合わせて年産6万4,000トンとなり、世界トップメーカーの地位をさらに固める。

(2)ハイシリカゼオライトの四日市能力倍増
合成ゼオライトの一種であるハイシリカゼオライト(HSZ)の四日市事業所の生産能力を倍増する。自動車排ガス処理触媒用の需要拡大に対応する。投資額は30億ー40億円。今年2月に着工し、2013年3月完成の予定。
引き続き総合ゼオライトメーカーとして、南陽事業所とともに世界トップクラスのシェアを目指す。

(3)ジルコニア粉末製造設備を増強
南陽事業所でファイン・セラミックスの一つジルコニア粉末製造設備の生産能力を増強する。機械部品や電子部品のほか歯科材料、人工関節などの生体材料として需要が伸長している。これにより四日市事業所と合わせ生産能力は約20%増加する。投資額は10億円強。今年4月に着工し、完成は11月末の予定。


ハイシリカゼオライトの製造設備

ジルコニアの製造設備

ニュースリリース参照

高機能材料事業の大幅な事業基盤強化の推進
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1328842878.pdf

化学合成法マンガン酸化物の製造設備を新設
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1328842878.pdf

四日市事業所でハイシリカゼオライト製造設備の生産能力を倍増
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file3_1328847178.pdf

南陽事業所でジルコニア粉末製造設備の生産能力を増強
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file4_1328842878.pdf