2012年02月13日
味の素と東レ、バイオベースナイロンの共同研究で合意
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:味の素、東レ

味の素と東レは13日、味の素が植物原料発酵技術により製造するアミノ酸・リジンを原料とするナイロン原料のペンタン1,5ジアミン(1,5PD)の製造及びそれを原料として用いたバイオベースナイロンの事業化に向けた共同研究を開始することで合意したと発表した。

共同開発するバイオベースナイロンは、植物原料から発酵技術で生産し、味の素グループの主力製品であるアミノ酸・リジンを酵素反応によって脱炭酸することで製造した1,5PDを、東レがジカルボン酸と重合することにより製造する。

この1,5PDを原料として用いたバイオベースナイロン繊維は、原料のジアミンが植物由来で再生可能なだけでなく、それを原料として製造したナイロン56繊維は、従来の石油化学由来のヘキサメチレンジアミンを原料としたナイロン繊維と比較しても、強度や耐熱性は同等で、肌触りもよく、綿に近い吸放湿性を有する。このため着用快適性に優れた衣料品への展開が期待できる。

両社はすでに、味の素が製造する飼料用リジンを用いた1,5PDと、その重合によるバイオベースナイロンの試作に成功している。

今後は、さらに規模をスケールアップし、製造プロセスの開発及び繊維、樹脂用途としての利用評価等を進めていく方針である。