2001年01月30日
奇美実業、ABS樹脂設備の減産体制解除へ
旧正月明けの需要見込む
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 奇美実業は、台湾のABS樹脂設備について、中国などの旧正月が明け、再び引き合いが活発化すると見て、これまで実施していた減産を徐々に解除し、通常運転に戻す考えだ。
 同社は、世界最大のABS樹脂メーカーで、現在台湾・台南に年産100万トンの設備を有しているほか、昨年中国・鎮江で年産25万トン設備を完成、同年6月から第1期分12万5,000トンを稼動させている。
 しかし、昨年後半からは原料価格が高騰したことにより生産コストが急激に上昇したため、11月から台湾、中国とも減産に踏み切った。最大時には30%の減産を実施していたが、ここに来て旧正月も終わり、中国の需要の立ち上がりを期待できると判断、両拠点とも徐々に稼動を通常レベルに戻していく考え。
 また、同社は中国で新設備が稼動したことにともなって、台湾では高付加価値品の生産比率を拡大しようとしている。このため昨年10月、年産3万トンの透明グレード専用系列を立ち上げ、拡販を進めているが、今年3月までに中国のユーザーの物性評価などが終わることから、本格的に透明グレードの販売を開始する見通し。