2012年02月27日
中国・南通市、長江大橋完成で新興企業を積極誘致
【カテゴリー】:海外
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中国では昨年末、長江を挟んで蘇州ー南通市間に世界最大の斜張橋(吊り橋)となる「蘇通長江大橋」が完成したが、南通市はこの大橋のたもとの南通経済技術開発区内に面積9平方キロ(設計50平方キロ)のイノベーションパークや蘇州市と連携しての蘇州通科技産業園の建設に相次いで着手した。

南通から上海まで車で1時間の距離となったことで海外からの投資が増えた。南京までの高速道路も完成した。
南通市は長江下流に大型港湾設備を持ち、1970年代初めから積極的に外資を誘致してきた。繊維加工や造船、機械工場などの導入で生産の集約化が進んだ。

現在、南通には84年に国家級として認められた南通経済技術開発区をはじめ、崇川、港開、啓東、海門、如東、海安の各開発区や無錫、蘇州、上海と連携した錫通科技産業園、蘇通科技産業園、上海市北ハイテク園など13カ所に工業地区を持つ。

2011年の南通のGDPは4,100億元。前年比12%増加した。ここ数年、第3次産業の伸びが大きい。11年は12.8%増加した。貿易総額は258.4億ドル(うち輸出175億ドル、24%増)。市の戸籍人口は766万人。

同市では今後、海洋開発、新エネルギー、新素材、バイオ医薬、省エネ、ソフトウエアなど7産業育成に重点を置き、船舶、エネルギー、電子情報、石油化学、紡織、軽工業などの従来産業も強化したいとしている。

先に東京で、張国華・市長らが出席して説明会を開き、沈振新・副市長が投資環境を大要以下のように述べた。

「南通は土地資源に恵まれ干拓工業用地が360平方キロもある。産業では海洋エンジニアリングが発達している。また、太陽光発電が1,500メガワット。化学工業、電子情報、光通信、コンデンサ産業が発展している。バイオ医薬、バイオマテリアル、工作機械、省エネ・環境、ソフトウエアなどにも力を入れている。大学が6校あり、8万人が学ぶ。専門学校を入れると約13万人に及ぶ。

2011年末までに海外から8,913社が南通に投資した。世界トップ500企業のうち54社が進出している。とくに日系は80年代から増勢、すでに2,000件以上に達している。日系企業は王子製紙、三菱レイヨン、東レ、帝人、日立化成、プリプラスチックス、DIC、伊藤忠商事、丸紅など。今回の来日で新たに15社の新規進出が決まり調印した」。