2012年02月28日
三井化学、SABICと提携しウレタン事業を再構築
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:三井化学、SABIC

三井化学は28日、サウジアラビアのサウジ基礎産業公社(SABIC)との間でウレタン原料のTDI、MDIの製造技術を供与するとともにウレタン事業で提携することで合意、これをテコにウレタン事業を再構築すると発表した。

具体的には、SABICは世界で最も競争力のあるTDI及びMDIプラントを2016年完成を目指してアルジュベール地区に建設し、三井化学はプラント基本設計終了予定の2013年度をメドにSABICとの間で合弁事業への参画を含めた提携最終案を決定する。

サウジに新設するプラントの生産能力は「ワールドスケールの規模を検討する」(岩淵滋専務)としており、世界最大規模(年産50万トン以上)になる可能性がある。

SABICとの提携を機に三井化学は、(1)TDI及びMDIの既存の国内拠点(大牟田工場と鹿島工場)、韓国の錦湖三井化学、SABICでの新設プラントでの最適生産体制をとり、将来的には海外拠点からの供給をメインにする(2)大牟田工場、鹿島工場を中心とした国内拠点では、2015年度までに2010年度比80億円以上のコストダウンを図るとともに、SABICのプラントのマザー工場としての役割を果たす。

一方、SABICとの提携を機に、ポリウレタン原料の一つであるPPG(ポリプロピレングリコール)については国内需要の漸減が見込まれるため、三井化学が90%出資している千葉ポリオールのPPG生産設備(年産能力2万8000トン)を今年6月に停止し、従来の国内3拠点体制から、名古屋工場、徳山分工場の2拠点体制とするとともに、生産効率化によるコストダウンを実施する。PPG事業は「2013年度に黒字化を目指す」(岩淵専務)方針である。


<技術ライセンスの概要>
(1)ライセンス対象技術 : 三井化学保有のTDI及びMDI製造技術
(2)契約締結日 : 2012年2月26日
(3)プラント運転開始時期 : 2016年(予定)
(4)立地 : サウジアラビア王国Al-Jubail地区
(5)許諾範囲 :
 ◇TDI :トルエンを出発原料とした中間体(DNT、TDA、ホスゲン)を含む全ての製造技術
 ◇MDI : ベンゼンを出発原料とした中間体(ニトロベンゼン,アニリン、MDA、ホス ゲン)を含む全製造技術

ニュースリリース参照

SABIC社へのTDI・MDI製造技術ライセンス供与について
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1330413056.pdf

Mitsui Chemicals Signs Manufacturing Technology License Agreement for TDI and MDI with・・・
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1330413056.pdf

ウレタン事業に関するSABIC社との提携検討開始及び事業再構築について
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file3_1330413056.pdf