2012年03月02日
東レ、血液適合性の高い革新的抗血栓性材料を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

東レは2日、独自の機能性高分子設計技術を駆使することで、高い血液適合性を実現できる革新的抗血栓性材料の開発に成功したと発表した。

とくに、同材料で表面処理した血栓捕捉フィルターについて、PTMC研究所および京都大学大学院医学研究科心臓血管外科が共同で実施した血管内留置モデル試験で、従来品に比べて留置時間を20倍以上延長してもフィルター表面で血栓形成が抑制されることを実証した。

カテーテルなどの医療機器が血液に接触すると、血液中の血小板やたんぱく質が医療機器に付着・活性化して血栓と呼ばれる凝固塊を形成する。この血栓が、血流に乗って脳や肺に飛散することにより重篤な脳梗塞や肺血栓症などを引き起こす危険性がある。このため、血栓形成反応をいかに抑制するかが循環器領域で使用される医療機器の大きな課題となっている。

今回の開発では、血栓形成反応の主因である、血小板の付着と血液凝固たんぱく質の活性化を同時にブロックする機能性高分子を表面に局在化することで、血液適合性を飛躍的に向上させた。この技術は、汎用性が高いことから、医療機器の素材や形状を問わず、幅広い適用が期待される。